抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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従来のサイバー攻撃は,愉快犯や金銭目的が主流だったが,最近は主義主張と権益拡大による脅成が新たに発生しており,大きく変化していることを理解しなければならない。いずれのケースも経営に直結する脅威をはらんでおり,単にセキュリティ対策を行えばよい,という範疇を超えている。本稿では,これまでのセキュリティー対策の考え方の問題点を指摘し,新しい対策の必要性を述べる。これまでのセキュリティー対策は,侵入を100%未然に防ぐという考え方であったが,これは,積み上げればあげるほど費用対効果が悪くなるだけではなく,事件は起きないという慢心や危機感を低下させる危険がある。しかし,ウイルスの潜入を100%防いでいるという前提は崩壊しているのである。サイバー戦争時代の情報セキュリティは,従来の考えでは対処できないのであり,事故前提の対策が必要となっている。太平の世ではなく,自分で守る必要のある時代(サイバー戦国時代)になったということを理解しなければならない。戦いの最中に,いの一番に行う対策は,何か考えて頂きたい。敵の侵入を防ぐための城壁を構築することなのか。そうではなく,見張りの設置など状況把握ができる体制作りが重要である。サイバー空間が「現実」の空間になるという潮目をとうに切り,「太平の世」から「ビジネス戦国時代」に突入したという現実を見据え,コストダウンを行いつつITを安全に使いこなすだけではなく,サイバー空間での活動を定着させることで事業継続と成長を達成し,生き残りを図っていただきたいと思う。