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J-GLOBAL ID：201202213359418273   整理番号：12A1334946

漢字二字熟語の同音判断と韻判断に構音抑制が及ぼす影響

Articulatory Suppression Effects on Rhyme and Homophone Judgments of Two-Kanji Compound Words

著者 (2件)： 森田愛子 (Hiroshima Univ.) ,  齊藤智 (Kyoto Univ.)
資料名： 認知科学  (Bulletin of the Japanese Cognitive Science Society)
巻： 19  号： 3  ページ： 365-379  発行年： 2012年09月01日 
JST資料番号： L4140A  ISSN： 1341-7924  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 表意文字である漢字は音韻情報処理への依存が小さいと考えられがちであるが,著者らによる二次熟語の視覚的単語認知に関する研究では音韻情報が早い段階で活性化した。本論文では,音韻情報処理を含む韻判断課題及び同音判断課題を用い,構音抑制の影響を調べることでarticulatory及びnon-articulatoryな音韻情報処理の違いを検討した。前者は構音コントロール過程を経るタイプで,後者は前記過程を経ないタイプであり,アルファベット言語による先行研究では音の分離が求められる場合には前者が行われることが示されている。一方,同音判断の際に構音抑制の影響が見られるか否かについては結果が一貫しておらず,著者らによる類義語判断における実験結果から意味情報へのアクセスが求められる課題遂行時には後者の音韻情報処理が行われることが確かめられている。そこで,漢字二字熟語を用いて刺激や課題を変えた体系的な実験を試み,反応時間と誤反応率を指標として構音抑制の影響を調べた。その結果,漢字を用いてもアルファベット言語と同様の結果が得られ,同音判断課題の中でも音の分離が必要か否かによって構音抑制の影響が異なることから,音の分離を行う必要がある場合には前者による判断がなされることが確かめられた。

シソーラス用語： *音韻論 ,  漢字 ,  複合語 ,  同義語 ,  タスクパフォーマンス ,  *自然言語処理 ,  発話 ,  誤り率 ,  反応時間 ,  判断
準シソーラス用語： 構音 ,  熟語 ,  類義語 ,  *音韻情報処理 ,  同音判断

分類 (2件)： 情報加工一般  (AC05010A) ,  自然語処理  (JE06000L)

引用文献 (42件)：

• 天野 成昭・近藤 公久(2000). 『日本語の語彙特性7. 頻度』. 三省堂.
• Arthur, T. A. A., Hitch, G. J., & Halliday, M. S.(1994). Articulatory loop and children’s reading.<I>British Journal of Psychology </I>, <B>85 </B>, 283-297.
• Baddeley, A. D., & Lewis, V. (1981). Inner active processes in reading: The inner voice,the inner ear and the inner eye. In A. M.Lesgold and C. A. Perfetti (Eds.), <I>Interactive processes in reading </I>, 107-129. Hillsdale,N.J.: Lawrence Erlbaum Associates, Inc.
• Baddeley, A. D., Lewis, V., & Vallar, G. (1984). Exploring the articulatory loop. <I>Quarterly Journal of Experimental Psychology </I>, <B>36 </B>,233-252.
• Barron, R. W., & Baron, J. (1977). How children get meaning from printed words. <I>Child Development</I>, <B>48 </B>, 587-594.

タイトルに関連する用語 (3件)： 漢字 ,  熟語 ,  構音