抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Yahoo知恵袋などの質問サイトが良く利用されている。サーチエンジンを使った検索に慣れていない人にとっては,質問サイトで質問する方が簡単で,しかもよい内容の回答を得られることも多いからである。質問サイトが成立しているのは,質問に対して回答を積極的に投稿しようとするユーザがいるからであり,回答者が投稿する理由の第一は,質問者を助けたいという利他的理由であることが統計調査によって明らかにされている。質問サイトでは,「助けてほしい」と考えている人と「誰かのためになれたら」と考えている人が出会い,心豊かなコミュニケーションが行われているのではないかとわれわれは考えている。こうした心豊かなコミュニケーションでは匿名であることが重要である。しかし,匿名性を悪用して,質問サイトにおけるコミュニケーションを妨害しようとするユーザもいる。投稿内容の評価が操作されている質問サイトの内容は信頼されなくなり,結果としてその質問サイトは利用されなくなるおそれがある。また,その質問と回答を知識として2次利用する場合にも問題になる。したがって,質問サイトにおける心豊かなコミュニケーションを促進するためには匿名性を悪用するユーザを検出することが重要である。本研究では,複数のアカウントを利用して1人で質問サイトに質問とその回答を繰り返し投稿し,自分の評価を操作しようとするユーザを,異常な投稿行動の検出と文体の類似判定を用いて検出する方法を提案した。そして,質問者と回答者が同一人物であることが疑われるユーザペアを135組検出し,それらの検出には異常な投稿の検出が有効であることを示した。質問者と回答者が同一人物であることが疑われるユーザペアの例は,複数のアカウントを用いてコミュニティサイトでのコミュニケーションを操作しようとするユーザの目的や方法について調査するのに役立つと考えられる。