抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
尻の角度が繁殖成績に与える影響およびシース管カバー使用による効果を調査した。また,外陰部や腟内細菌数調査から,シース管カバー使用による衛生的な人工授精の手技について検討した。千葉県内のホルスタイン経産牛288頭を「尻の角度が高いH群」「ほぼ水平なN群」「尻の角度が低いL群」の3群に分け,年齢別に初回授精受胎率,空胎日数および授精回数を調査した。3歳未満,3歳以上の両グループでH群の空胎日数が最も長く,L群,N群の順に短かった。平均授精回数は各群で差はなかった。平均初回授精受胎率はシース管カバー使用の有無にかかわらず,H群がほかの2群と比べ低い傾向があった。また,シース管カバーを使用した場合は,カバーを使用しなかった場合に比べて平均空胎日数は短い傾向があった。尻の角度が高い牛は,ほかの2群と比べて人工授精時のシース管カバー使用の有無にかかわらず,平均初回授精受胎率が低下する傾向にあった。また,尻の角度の高い牛は,尿腟を有している割合が高かった。尿腟を有している牛は,空胎日数が有意に長く,子宮内膜炎を啓発するリスクが高かった。尻の角度の遺伝率は0.41であり,種雄牛の影響を受けやすい。牛群の繁殖成績を安定させるためには,栄養面での飼養管理とともに,尻の角度を意識した種雄牛の選定,シース管カバーを用いた子宮内に細菌を持ち込まない衛生的な授精操作を行うことが重要である。