抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2007年から2009年にかけて発生した金融危機以降,アセットアロケーションに関する意思決定を行う際に,同危機により苦境に立たされたときの金融モデルの有用性について,そのモデルが提供する価値を含めて鋭い議論が今でも続いている。本稿では,金融危機の下でリスクとリスク回避姿勢の双方が顕著に高まった状況において需要と供給という基本的な経済理論がどのように作用するかを検証した。これを行うにあたり,簡易的なモデルを構築し,状況の変化に応じて投資家は投資家間でどのように取引をすべきかそのモデルにおいて検討した。まず,本稿の基本シナリオを説明した。資産クラスは米国株式・先進国株式(除く米国)・新興国株式・債券・現金の5つに絞って検討した。状況が変化する中でリスクプレミアムがどのように決定されるかを説明し,また投資家が危機対応の為の調整を実行するときに生じる取引を検証した。次に,基本シナリオにかかる種々のバリエーションを検討し,そうした異なるシナリオにおいても,基本シナリオから導き出した全般的な結論が成立することを示した。検証結果の要約としては,市場環境の変化への対応として投資家が実行を望む戦術的なポートフォリオの調整は,どのような場合も,需要と供給の法則が支配する市場において行われるという点である。