抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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天然ポリケチドの下位構造にみられる四つのジプロピオナート立体トライアド,RCH(Me)CH(OH)CH(Me)-のうちanti,anti-ジプロピオナート立体トライアドは最も合成の困難な化合物である。アルドール縮合またはクロチル金属化学を介したβ分岐したanti,anti-ジプロピオナート立体トライアド,TS4の立体制御合成は有機合成界の長年の挑戦であった。このTS4の合成に関する問題の解決策として,キラル,非ラセミクロチルボラン試薬(S)-(E)-22(またはその鏡像異性体)とエナンチオマの純度を高めたαメチル置換アルデヒドとの不均質な二重非対称クロチル硼素化反応を利用した。この方法は,50:1以下の本来備わっているジアステレオ面選択性を有するβ分岐のキラルアルデヒドからジアステレオ選択性が余り優れていない場合(15:1以上)に,非常に良好(5-8:1)に,anti,anti-ジプロピオナート立体トライアド24[TS4の合成等価体]が得られるばかりでなく,その後のC-C結合形成に利用できる適切に官能基化されたビニルスタンナンユニットをもつ生成物が供給された。このMismached Double Asymmetric Crotylbolation法は,ポリケチドをもつ天然化合物の合成戦略に大幅な簡素化をもたらし,広く応用できることにつながることが期待できる。