抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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バンドル法は写真測量の実用分野で多大な貢献を行った。コンピュータ資源が限られた1980年代までと比べ,大量のメモリが利用可能になった現代ではバンドル法以外のブロック調整法は考えられなくなった。日本写真測量学会が1983年に発刊した「解析写真測量」は,バンドル法の基本的文献としての役割を長らく果たしてきたが,デジタル写真測量が一般的となった今,GNSS(Global Navigation Satelite System:汎地球衛星測位システム)/IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)データとの同時調整も含めた新たな基本的文献が必要とされている。「解析写真測量」や他の写真測量の教科書もアナログフィルムを図化機にかけて計測するアナログ図化機や解析図化機の使用を想定しているが,現在はデジタル画像として撮影された写真(もしくはフィルム等をスキャンした写真)を利用するデジタル写真測量の利用がほとんどである。また,コンピュータビジョンの分野においてもバンドル法の重要性が「再発見」され,近年の理論的な発展に大きく貢献している。このような新しい潮流を鑑みてバンドル法をレビューすることが今後の学会の礎となることと考える。本講座では,6回構成でバンドル法の解説を行う予定である。1)バンドル法概論と用語:バンドル法の概論と,その用語を整理する。2)バンドル法と空中写真測量の歴史:バンドル法が空中三角測量の代表的な手法として確立するまでの歴史的経緯をレビューする。3)バンドル法の実装:バンドル法の実際の計算方法と,GNSS/IMUの利用を考慮した同時調整の実装方法について論ずる。4)セルフキャリブレーション付バンドル法・精密測量の諸問題:工業計測等で行うセルフキャリブレーション付バンドル法のレビューと,理論的・技術的な諸問題を論ずる。5)セルフキャリブレーション付バンドル法・地上測量への展開:地上測量への展開,非計測用カメラを用いたセルフキャリブレーション付バンドル法のレビューと,理論的・技術的な諸問題を論ずる。6)コンピュータビジョンとバンドル法:近年のコンピュータビジョン分野への応用へ広がりと,写真測量との理論的比較を行う。(著者抄録)