抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,野生ニホンジカの省力的捕獲への使用を目的として,等身大のシカ模型に対する野生ジカの行動反応を調べた。デコイに対して,回避および逃避行動を示した個体はたった3頭であり,ほとんどのシカがデコイに警戒心を抱くことなく様々な行動反応を示した。デコイを視る,嗅ぐ,触れるなどの探査行動を示した個体は,向山牧場で春季に39%,秋季に46%,静内牧場では73%だった。また,デコイに対して,野生雄ジカによる性行動が観察された。さらに,デコイを1体設置(0.7±2.2回/100カメラ日)したよりも複数設置(35.4±58.2回/100カメラ日)したときに,休息行動を示したシカの撮影頻度が多かった(P<0.05)。以上の結果は,シカがデコイを社会的に認知したことを示しており,デコイは広大な生息地の中でシカを局所的な場所に誘引することができる有効な捕獲補助器具であることが明らかになった。(著者抄録)