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J-GLOBAL ID:201202221301987394   整理番号:12A0669865

「開発ものがたり」【第26回 ローコスト低熱膨張材】ダクタイル鋳鉄の研究がきっかけ

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巻: 27  号:ページ: 078-079  発行年: 2012年05月01日 
JST資料番号: X0147A  ISSN: 0912-5582  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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近年,金型や精密機器の筺体,部品素材としてインバー合金やコバール合金などの低熱膨張材料が使われるケースが増えているが,コスト高が難点であった。鋳物メーカーの伊藤鉄工は早稲田大学材料技術研究所の中江秀雄研究室と共同でインバー/コバール合金なみの低熱膨張特性をもち,被削性に優れた低熱膨張鋳鉄「NEZTEC(ネズテック)」を開発した。NEZTECは,ダクタイル鋳鉄がベースである。古くからダクタイル鋳鉄でもFe-35Ni-Cの配合を正確に制御できれば,理論上はインバー/コバール合金なみの低膨張特性を確保できることは知られていたが,多くの場合,鋳物にするとそれほどの特性は示さない。特にニッケルの偏析が熱膨張係数に大きな影響を及ぼした。同社の研究結果からも,同じ鋳物でも部位により20~42%のニッケル偏析が見られたが,黒鉛間の距離が長くなるほど,その間にニッケル偏析が多くなることを発見し,黒鉛間の距離を短くした。ダクタイル鋳鉄は,少量のマグネシウムを添加する。それに対し,マグネシウムを使わず,別の添加剤を投入し,黒鉛を細かくして粒数を増やし,生地中に拡散することでニッケル偏析を抑制した。同社が添加剤の配合を研究し,鋳鉄の機能改善に努めた成果の積み重ねがNEZTEC開発につながった。NEZTECは被削性にも優れ,切削抵抗はSUS304に比べて60%以上,コバール合金と比べ約30%低減する。インバー/コバール合金と比べ加工代を少なくできる。一般にインバー/コバール合金の小物部品における加工代は,最低でも4mmくらいは必要とするが,NEZTECでは2mm程度ですむ。肉厚3mm程度の薄肉鋳造も可能で,製品形状が複雑でも,被削性の良さとニアネットシェープ性を活かし,短納期,低コストでの製作が可能という。また,振動減衰能がインバー/コバール合金の20倍以上あるため,金型や定盤,稼働部の部材にも適している。
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鉄鋼材料 
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