抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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工学院大学の稲葉教授が(社)産業環境管理協会の協力によるライフサイクルアセスメント(LCA)の活動について述べた。LCAを普及させるための活動として,全産業の横断的ネットワークとしてLCA日本フォーラムが1995年に設立された。ここでの提言を受けて,54の工業会によりLCAデータベースが構築され,産業技術総合研究所が主体となって,環境影響評価手法が開発された。LCAに関する活動を背景に(社)産業環境管理協会は2002年に「エコリーフ」を開始し,2012年4月からLCAで計算した温室効果ガス排出量を表示するカーボンフットプリントの事業を開始した。LCAを使った製品評価はカーボンフットプリントによって世界中で再認識される結果となった。LCAは製品の評価方法として開発されたが,最近では組織の評価方法へ発展している。2012年6月からISO/TC 207/SC 5で「組織のLCA」作業が開始された。これは温室効果ガスだけではなく,多様な環境側面を評価する方法である。ECの環境フットプリントも製品のみならず組織のガイドラインも検討されている。また2009年には,ライフサイクル思考を経済や社会へ広げる方法論として,「サステナビリティアナリシス」が提案された。最近では,LCA,ライフサイクルコスティング,ソーシャルLCAを基軸にし,環境・経済・社会を総合的に評価する「サステナビリティアセスメント」に関する報告書が発行されている。1995年に設立されたLCA日本フォーラムは産業別工業組合の枠を超えた連携であり,これが国際的に通用する規格を作るために,(社)産業環境管理協会の活動が期待される。