抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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有機電子デバイスの機能向上は,機能性有機分子の開発とキャリアダイナミクスの基礎的な理解が必須である。光誘起電荷の飛行時間型(TOF)測定法を用いて,ヘキサベンゾコロネン(HBC)誘導体の低次元自己組織体膜における電荷キャリアダイナミクスの研究を行った。A相のないカラム状構造体(HBC-C14)とA相を有するナノチューブ構造体(HBC-TNFとHBC-C
60)の光伝導を測定し,光キャリア生成における電子受容体の効果について検討した。定電場中(E=1.0×10
4V/cm)における光誘起電荷を測定した。すべてのHBC自己組織体薄膜において,励起直後のQ-TOF信号強度は照射光強度に対して一次線形性を示したことから,キャリアは一光子過程で生成することがわかった。光キャリア生成効率(φ)に対する電場効果を調べるために,光励起直後におけるQ-TOF信号値のE依存性を測定した。A相の導入により再結合よりも解離が優勢になることが明らかになった。B=50mTにおいて磁場効果(MFE)の時間変化を測定した。HBC-TNFとHBC-C
60で観測されたMFE時間変化に対して速度論的解析を行った。キャリア生成量に比例する初期の再結合速度は10
8s
-1程度でS(一重項)/T(三重項)の再結合速度比は1.25であることがわかった。これらの考察から,A層の導入は電荷分離効率の増大だけではなく,ジェミネート再結合の抑制に寄与すると結論した。