抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自動車産業の国際化に関する分析・調査は少なくないが,世界各市場を含むレベルでの経時的分析は殆どない。企業の国際合弁や製品開発・部品取引の国際化を分析する場合は,背後にある産業レベルの国際事業,特に輸出と海外生産の動向を理解する必要がある。日本自動車企業の国際事業展開,とりわけ1960年以降の輸出と海外生産の動向について分析し,以下1)-2)の特徴を明らかにした。1)北米/欧州市場を中心とした輸出の増加(1960-1980年代),円高/貿易摩擦/現地生産拡大による輸出の減少(1980年代以降),リーマンショックや東日本大震災の影響による欧米輸出と欧米生産の落込み(2000年代末),2)アジア市場における現地生産の積極的展開(1980年代始め以降),欧米より遥かに少ない輸出台数(1980-1990年代)。輸出との関わりにおける海外生産の位置づけが欧米市場とアジア市場で異なる要因として,先進国と新興国では製品に求められる価格や品質が異なること,新興国市場に多い現地生産を促す政策(輸入車への高率関税/外資系企業への優遇策)を挙げた。輸出や海外生産が自動車企業にもたらす戦略的な意味合いは,市場や時期の違いによって異なることを示唆した。