抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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別府温泉明礬地区の湯の花は蒸発残留岩類似の析出物であってハロトリカイトとアルノーゲンの混合物である。湯の花は粘土層に噴気を浸透させることで製造されている。これまではスメクタイト粘土が使用されていたが,その資源が枯渇してきたためにカオリナイト粘土がそれに取って代わりつつある。カオリナイト粘土の可能性を評価するために,この粘土を用いて湯の花を生産し,その過程における粘土表層の鉱物学的,化学的変化を追跡した。試料採取は40~90日間隔で276日にわたって行われた。試料からX線回折(XRD)によってカオリナイト,水和シリカ(オパールC),石英,黄鉄鉱が検出された。黄鉄鉱のピーク高さは時間の経過とともに徐々に減少した。これはおそらく酸化分解によるものであろう。カオリナイトのXRDパターンに変化は見られなかった。カオリナイトは粘土層浅所の条件下で安定であることが証明された。カオリナイトの反応性が低いにもかかわらず湯の花は順調に成長した。カオリナイトの分解は粘土層深部で起こっているはずである。湯の花生産過程の中間および後期段階において粘土層がSO
3で飽和していると仮定することにより粘土層の二硫化物含量を計算した。その値は時間とともに直線的に減少した。粘土の化学組成が製造された湯の花のアルカリ金属,アルカリ土類金属の含量と密接に関係していることが見られた。(著者抄録)