抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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王子製紙(株)富岡工場N1マシンは,薄物塗工紙(微塗工,A3)の競争力強化のため建設され,2009年2月より営業生産を開始し,これ迄に抄速1,700m/min連続操業を達成した。当マシンは,オンマシンコーターと高いグロスを発揮するオンマシンマルチニップカレンダーで構成するオールオンラインコンセプトにより,高い生産性とコスト競争力,品質競争力の強化が図られているワイヤー幅10,200mm,製品最大取幅9,180mm,駆動能力1,800m/minの最新鋭高速広幅オンマシンコーターである。本セミナー(製紙技術セミナー)のテーマである「最新塗工技術」に該当するオンマシンコーター設備の最大の特徴は,片面塗りロールコーターとブレードコーターという特徴の異なるコーター設備を有していることである。ブレードコーターは優れた面品質を得ることが出来るが,低米坪・低塗工量品においては高速運転中のブレード断紙リスクが高くなる。一方,表裏単独の片面塗りロールコーターでは,ブレードコーターに比べると高速運転中の断紙リスクは低く,高効率での薄紙の高速塗工を実現する。これら特徴の異なる塗工設備を併せ持つことで,様々な塗工パターンが可能であり,顧客ニーズに合った製品を効率良く生産することができる。レイアウトは,ブレードコーターと同パートにロールコーターを配置することで,ドライヤー乾燥ゾーン,カラー給液設備の共有による省スペース化を図り,また通紙性や切替え時のロスについても配慮している。本稿では,上記国内初の採用であった片面塗りロールコーターの話題を中心に,振動や汚れの問題など,試運転を開始してから現在に至るまでの操業経験について紹介する。(著者抄録)