抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ブタ腎臓の精製したNa,K-ATPアーゼ中のNaにより刺激されたE2→E1遷移とRb
+の脱閉塞間の結合を示す詳細な動力学的研究について述べる。迅速混合法を用いて,時間関数として閉塞したRb
+の濃度の減少とエオシン蛍光(E1の形成)の増加を並行実験により測定した。E2→E1遷移とRb
+の脱閉塞を等振幅を持つ二つの指数関数の和で記述した。速度係数は[Rb
+]の増加に伴い減少した。E2→E1遷移の速度係数値は,Rb
+の脱閉塞の値と非常に類似しており,両過程が同時に起こることを示唆している。以上の結果は,ATPが不在のときのNa
+刺激性Rb
+の脱閉塞の機構は,E2→E1遷移に先立ち細胞外接近を通じて少なくとも一つのRb
+イオンの放出を必要とするであろうことを示唆する。E2を安定化させるバナジウム酸塩を用いて,平衡条件下の閉塞Rb
+を測定した。その結果,Mg
2+はRb
+に対する親和性を低下させたが,バナジウム酸塩の添加は本作用を弱めRb
+に対する親和性を上昇させた。過度実験によりE2-バナジウム酸塩複合体と培地間のRb
+の交換を調べた。ATPが不在のときに,バナジウム酸塩はRb
+の脱閉塞の速度に顕著な影響を与えることなくNa
+により生じるE2→E1遷移を阻害する。一方,判明した酵素-バナジウム酸塩複合体における非常に低速のRb
+閉塞の証拠は,本複合体がRb
+を結合し閉塞するために開いた配座の変化を必要とすることを示唆している。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.