抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Derwent川(タスマニア州,オーストラリア)から105cmの堆積物コアを2004年に収集し,物理的(550°Cの強熱減量,粒径)および化学的(Fe,Cu,Zn,Cd,Pb濃度,Pb同位体比,
210Pb年代測定)双方を考慮して特性決定した。コア分析して,1)Derwent川近隣のRisdon亜鉛精錬所に関連した数種の重要な元素の歴史的プロフィールを調査し,2)堆積物サンプルのPb同位体特性を測定し,3)汚染物質であるPbの流入指標としてPb同位体比の正確さを評価した。抽出性金属濃度(mg/kg,粒径で標準化せず)はFe:20,000~35,000,Zn:42~4500,Pb:5~1090,Cu:13~141,Cd:1~31で,Cu,Zn,Cd,Pbの間には密接な相関があった。金属濃縮係数(Alで標準化)はPb:0.9~144,Zn:0.8~93,Cd:0.8~30,Cu:0.8~8.9,Fe:1.9~1.3であり,Cu,Zn,Pb,Cdの堆積物に対する人為的寄与を確認した。Cu,Zn,Cd,Pbによるバックグラウンドレベル以上の金属汚染の開始は43~49cmの深さで起き,20cm付近で最大濃度を示した。セクターフィールドICP-MSを用いて堆積物中の鉛同位体比を測定し,
208Pb/
204Pb,
206PB/
204Pb,
206Pb/
207Pbがそれぞれ36.5~38.8,16.5~18.7,1.07~1.20であることが分かった。過去90年間に精錬所で処理されたオーストラリアの主要な鉱石は,Broken Hill,Rosebery,Mt Isa,Elura,Hellyer,Centuryの各鉱床からのものを含んでいる。Broken Hillタイプの同位体比のPbによる人為的な影響は43~49cmのコアで最初に明らかになった。RoseberyおよびEluraの鉱石の精錬所への導入も明らかに示された。Derwent川は他の主要なタスマニア州の河川であるHuon川およびTamar川と比べて人為的Pbによる大きな影響に曝されてきたことをPb同位体比が強く示している。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.