文献

J-GLOBAL ID：201202228200560904   整理番号：12A0750088

長距離越境大気汚染の解明を目指した航空機および地上観測

Aerial Observations and Ground based Measurements of Long-range Trans-boundary Air Pollution

著者 (1件)： 畠山史郎 (東京農工大 大学院農学研究院)
資料名： 大気環境学会誌  (Journal of Japan Society for Atmospheric Environment)
巻： 47  号： 3  ページ： 111-118  発行年： 2012年05月10日 
JST資料番号： S0850A  ISSN： 1341-4178  CODEN： TKGAFA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 文献レビュー  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 中国本土上空における大気汚染物質の航空機観測と,沖縄の辺戸岬に新設された長距離越境大気汚染物質観測のためのステーション(辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーション;CHAAMS)における地上観測について総説した。中国本土上空で捕集されたエアロゾルは予期に反して充分中和されていた。中国の西部地域では硫酸塩がアンモニア塩に比べて幾分過剰に存在するが,東部地域ではアンモニウム塩の方が硫酸塩よりも過剰に存在した。これは中国東部地域においてはSO₂の放出量よりもアンモニアガスの放出量の方が多いからであると推測された。また,沖縄辺戸岬で捕集されたエアロゾル中の硝酸塩は微小粒子よりも粗大粒子に多く含まれていた。これは硝酸塩の大部分が微小粒子に含まれている中国の観測結果とは大きく異なっている。最も重要な原因は硝酸アンモニウムの熱的不安定性である。中国において微小粒子として生成した硝酸アンモニウムは長距離輸送の途上で熱分解し,硝酸ガスとアンモニアガスになる。その後,硝酸ガスが周辺に存在する海塩や土壌粒子のような粗大粒子に吸着されたものと考えられる。(著者抄録)

シソーラス用語： *大気汚染 ,  エアロゾル ,  沖縄県 ,  *浮遊粒子状物質 ,  *長距離輸送【大気】 ,  乱流モデル ,  大気拡散 ,  観測 ,  リモートセンシング ,  岬 ,  *汚染監視 ,  中華人民共和国 ,  酸性雨
準シソーラス用語： RANSモデル ,  越境大気汚染 ,  航空機観測 ,  地上観測 ,  辺戸岬

分類 (1件)： 気圏環境汚染  (SB03020M)

引用文献 (39件)：

• AKIMOTO, H. Global air quality and pollution. Science. 2003, 302, 1716-1719
• CLARKE, A. Hemispheric Aerosol Vertical Profiles : Anthropogenic Impacts on Optical Depth and Cloud Nuclei. Science. 2010, 329, 1488
• HATAKEYAMA, S. High Concentration of SO_2 Observed over the Sea of Japan. Terre. Atmos. Oceanic Sci. 1995, 6, 403-408
• HATAKEYAMA, S. 91 PEACAMPOT Aircraft Observation of Ozone, NOx, and SO_2 over the East China Sea, the Yellow Sea, and the Sea of Japan. J. Geophys. Res. 1995, 100, 23143-23151
• HATAKEYAMA, S. SO_2 and Sulfate Aerosols over the Seas between Japan and the Asian Continent. J. Aerosol Res. Jpn. 1997, 12, 91-95

タイトルに関連する用語 (4件)： 長距離 ,  越境大気汚染 ,  航空機 ,  地上観測