抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では南西諸島における農産物の安定供給体制の構築に寄与するため,台風対策技術の高度化に取り組んだ。農業関係者や生産現場からは,耐風性に優れ,かつ低価格で導入できるような園芸施設が求められている。これらの要望に応えるために,既存施設の問題点やこれまでの台風被害状況を調査,分析し,その結果を踏まえて新たな園芸施設の開発,防風施設の遮風効果の検証,園芸施設の風観測システムの高度化に関する技術開発を行った。まず,沖縄県の園芸施設の特徴として,台風来襲時の風荷重軽減を目的に被覆材に網を利用することがあげられる。しかし,これらの網の通風特性は明確でなく,使用時の選定基準も曖昧であることから,網の圧力損失,圧力損失係数を測定した。その結果,沖縄で利用される網の通風特性には,開口比が影響することを明らかにした(2章)。ネット式鋼管施設と角形鋼管プラスチックハウスの台風による倒壊事例から,これらの倒壊要因を解析した。また,南西諸島における園芸施設に関する台風被害の特徴を明らかにし,既存の園芸施設の弱点や課題について考察した(3章)。次に,既存の園芸施設よりも耐風性に優れた2種類の園芸施設を開発した。一つは農業従事者の農業所得を考慮して開発した小型園芸施設である。最大瞬間風速50m/sの風荷重に耐えるように設計を行った結果,実証試験においても耐風性を確認できた。本施設は沖縄県内で広く利用されている。もう一方は,トラス構造を特徴とした大型園芸施設である。高コストとなるトラス構造を農業用ハウスに採用するために,コスト削減と軽量化について検討した。そして,重量が大きく,高額なトラスの接合部中核部材の代替品として,安価で高強度な樹脂製ボールジョイント(特許第4576488号)を開発した(4章)。...(著者抄録)