抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最近,都市と周辺地域との関係が見直され,都市と地域が共に手を取り合って,互いが互いに補い,共存共栄あるいは共生共栄を目指そうという考え方が芽生え始めた。こうした考え方は,平成23年の東日本大震災における「絆」運動で見直され,強調されるようになった。本稿では,広島と周辺地域の共生共栄について,経済の側面,それも産業分野の側面に限定して分析を試みた。その結果,広島と周辺地域は,現状において共生共栄の関係にあり,「周辺地域が発展すれば広島が発展する」という「鉄の絆」の関係にあり,逆に,「周辺地域が衰退すれば広島も衰退する」との結論を得た。本稿では,広島と周辺地域との絆の内容を紹介し,広島の採るべき方策を模索した。広島市は,昭和62年に閣議決定された第四次全国総合開発計画において,札幌,仙台,福岡とともに地方中枢都市とされ,また,法制上,政令都市でもある。分析に使用したデータとしては,内閣府の県民経済計算年報と広島県統計課の推計値があるが,両者にはかなりの違いがある。広島市を政令市の中で位置づけるときには内閣府データを使用し,県内市町村の中で比較するときは広島県データを用いた。広島の主導的産業の3つであるサービス業,製造業,卸売小売業を産業御三家と位置づけ,それぞれについて広島市及び周辺地域の現状を分析した結果を報告した。そして,地域間の絆と有効利用,地域間の絆と地域の政策形成,地域間の絆と運命共同体について論じた。