抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
石油資源の将来に既にかげりが見え始め,世界的な資源争奪戦が始まり,さらに中東北アフリカ地域の政情不安も加わって,原油市場の不安定性,不確実性は一層高まっている。また大量の化石燃料消費は,地球温暖化を招く。2010年,政府は2030年までに発電部門における原子力比を50%以上にすることを盛り込んだ「エネルギー基本計画」を閣議決定したが,福島第一原子力発電所事故が起こり,世論は脱原発に大きく傾き,「エネルギー基本計画」を白紙に戻し,原発への依存度低減を主軸にしたエネルギー政策の見直しを進めている。さらに,原子力批判の高まりとともに,核燃料政策への批判も高まっている。再処理リサイクル方式は,直接処分方式に比べ経済性に劣るとの批判があるが,その差は発電原価にして1円/kWh程度にすぎず,政策決定上,ほとんど議論に値しない差である。また再処理リサイクルは直接処分に比べ,核拡散リスクが高いという批判があるが,直接処分される使用済燃料中の放射能の大部分は減衰し,プルトニウムへの接近や回収の困難性は著しく低減する。再処理リサイクル方式の核拡散リスクは国際保障措置の厳格な適用で管理可能なことは,長年の実績が示してきたところである。仮に現在のレベルから半減しても,わが国はなお大規模原子力発電国であり,その運転安定性を保証する現実的手立てとして,再処理リサイクル方式の堅持が必要である。