ボルネオ熱帯雨林木種Scaphium macropodumのマスティングの個体群統計学的コスト

YAMADA Toshihiro; SUZUKI Eizi; ZUIDEMA Pieter A.

文献

J-GLOBAL ID：201202229899820406 整理番号：12A1757732

ボルネオ熱帯雨林木種Scaphium macropodumのマスティングの個体群統計学的コスト

Demographic costs of masting for a Bornean rain forest tree species, Scaphium macropodum

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著者 (3件)： , ,
資料名：
巻： 21 号： 1 ページ： 21-32 発行年： 2012年06月30日
JST資料番号： L1852A ISSN： 0917-415X 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：日本 (JPN) 言語：英語 (EN)

マスティング-数年に一度の同種樹の巨大果実の同時産生-はSEアジア木種の生活史戦略である。マスティングの繁殖生物学は比較的よく知られているが,マスティングの個体群統計学的結果は不明である。理論的には種子の不定期な産生(マスティング)は,たとえ種子産生が結実間隔と比例していたとしても,個体群増加にとって年次結実よりも有利でない。これは結実事象の間にある死亡リスクと関連があり,同一個体群の増加を維持させるためには種子産生を過度に増殖させ死亡リスクを相殺する必要がある。Scaphium macropodumのマスティングの個体群統計学的コストを評価するために,確率行列モデルによりインドネシアの西カリマンタン熱帯雨林の本種のマスティング挙動,個体群動態を調べた。様々な結実頻度を確率行列モデル解析したところ,結実が16年に一度起こる状況において1.002の長期個体群増殖速度が明らかとなった。本地域における平均マスティング頻度は,この頻度よりも高く,よって著者等は本研究の種の個体群が維持されていると期待した。stochastic elasticity解析により,個体群増殖速度は種子産生のレベルと/または頻度にかなり鈍感であるが,その一方で成熟木の生存に敏感であることが示唆された。確率個体群増殖速度は,結実間隔が長くなり,種子産出が比例的に増加すると想定すれば,殆ど低下しない。故に不定期に繁殖しても,結実時において種子産出が増加すれば,マスティングの個体群統計学的コストは完全に相殺される可能性があった。(翻訳著者抄録)

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植物生態学 , 発生,成長,分化

引用文献 (59件)：

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