不等のSi-O-T角度の隣接するTサイト上でのSi-Al順列からの鮮明な29Si MAS NMRピーク:K-Cymrite(KAlSi3O8・H2O)についてのJ-解像測定からの直接の証拠
Distinct 29Si MAS NMR Peaks from Si-Al Permutation on Neighboring T Sites of Unequal Si-O-T Angles: Direct Evidence from J-Resolved Experiment on K-Cymrite (KAlSi3O8 H2O)
全てのSi/Alが単一の結晶学的に特異なTサイト(Q4)にある二層構造を有するK-cymriteについて,一次元及び二次元の29Si NMR検討を行った。一般に信じられてきたことと異なり,五つ以上の29Si MAS NMRピークが観測された。これらのピークは,2D Jカップリングを介した実験で,~2ppmの隔たりのありn=1~3に対応する二つのピークを伴ったSi(nSi)(n=0~4)と帰属された。この検討により初めて,Si(nSi)単位周囲のSi-O-T角度の変化がその化学シフトに影響するのみならず複数ピークを与えることが実証された。この現象は29SiのケミカルシフトがSi-O-SiとSi-O-Alの結合角に異なる依存性をもつことによるのであろう。