抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年日本および韓国沿岸ではエチゼンクラゲの大量出現による様々な被害が頻発し,大きな社会問題となっている。その対策のためのモニタリング手法の開発が早急に求められており,本報告者等は音響手法を用いたモニタリング法の開発を目指し,計量魚探機活用の可能性を検討してきた。計量魚探機では対象生物の音響散乱特性として周波数特性,種特性,遊泳姿勢角特性などを把握する必要がある。本稿ではこれまでに得られたエチゼンクラゲの音響散乱特性をまとめ,実海域における音響探知の可能性を検討した。その結果エチゼンクラゲの体内音速および生体密度は周囲海水の音速および密度と僅かではあるが差があり,これによってエチゼンクラゲは超音波を反射することがわかった。またその反射量であるターゲットストレングス(TS)はクラゲの大きさとともに大きくなり,さらに遊泳時の姿勢変化によりTSは大きく変化することが明らかになった。これらの結果は音響手法によるエチゼンクラゲの調査は可能であることを示している。エチゼンクラゲの遊泳行動や魚との共生関係を解明し,音響調査に適した時期や時間帯を選択することで魚探の精度を改善するのが今後の予定である。