抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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カエル種の多くは,稲作農耕文化の伝来以来,水田を中心とする農村環境に適応あるいは依存し生息してきた。しかし現代,農業形態の変化や市街化などによる水田の減少により,各地でカエル類の個体群の減少・消滅が報告されている。そこで本研究では,大規模圃場による機械化栽培が広く行われている濃尾平野において,特徴的な農環境構造をもつ地域におけるカエル類の種組成について調査を行った。農環境構造地区としては,I稲田~ハス田混在型地区,II溜池隣接水田地区,III水稲~麦~大豆輪作型地区,IV圃場整備・土木路~護岸水路混在型地区,V未圃場整備~土木路~護岸水路混在型地区別に調査を実施した。その結果,2科4種のカエル類の生息が認められた。それらは,全域に低密度に分布するニホンアマガエルおよびヌマガエル,地区Iでのみごく少数確認されたニホンアカガエル,地区により生息量に偏りが生じたダルマガエルに分けられた。また過去に濃尾平野で確認されていながら不在だった種にはアズマヒキガエル,トノサマガエル,ツチガエル等がある。その要因は,近年の機械化,大型圃場化により栽培期間が短縮され,湛水期間の不足によるものと考察される。