抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高速位置決め繰り返し運転を行う工作機械などのメカトロニクス機器ではステッピングモータを用いているが,省エネ省スペースでかつ,高精度な微少距離の高速運転を行うには,ステッピングモータに比べ,高い出力密度を持つサーボモータに置き換えると高速化が期待される。従来の手法では,電流制御系の応答は速度制御系や位置制御系に比べ充分に速いため,立ち上がり時間を考慮していなかったが,より高速かつ高精度な位置決めを行う場合には,電流の応答も考慮する必要がある。本稿では,電流応答の立ち上がり時間を考慮して減速を開始する位置を求めるブレーキアルゴリズムを用いた高速位置決め制御法を提案する。また,最大トルクを用いて減速するブレーキアルゴリズムから目標位置への整定のために位置制御系の制御に切り替えると,制御系内の積分器の値とモータの状態が異なるため,オーバシュートが生ずる。これに対して,速度制御系の出力である電流指令値が瞬間最大定格電流となるような指令値を作成する手法についても提案する。さらに,目標位置付近の整定時に位置・速度・電流のそれぞれの応答が適切では無い場合に,オーバシュートや振動が生じ,整定が遅くなる問題がある。これに対して,速度と電流を同時に整定させるための指令値切換手法についても提案する。これらの提案法により,位置応答を高速化し,高精度に位置決めすることができる。これらの手法を位置制御系に適応し,実機実験によりその有効性を確認する。立ち上がり時間を考慮したブレーキアルゴリズム,位置指令に基づく加減速切換アルゴリズム,ゼロ速度指令に基づく切換制御の3つの手法を提案し,これらを組み合わせることで,位置応答のアンダーシュートが抑制され,位置決めを最も短時間で完了することができた。これにより,提案法の有効性を確認した。