抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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海綿状血管腫(CCM)は,3つの関連しないタンパク質CCM1(KRIT1),CCM2(Malcavernin/OSM)そしてCCM3(PDCD10)をコードする遺伝子における変異により生ずる中枢神経系の血管異常である。生化学的および遺伝学的研究はCCM1とCCM2が物理的複合体の一部として作用し,血管の形態形成と完全性を調節することを示唆する。対照的に,マウスのCcm3変異体とin vitroでの細胞培養のデータはCcm3の独立した役割を示唆している。本研究において,ゼブラフィッシュモデルシステムを用いて頭蓋血管の発生におけるccm3の役割を初めて調べようとした。著者らはゼブラフィッシュのccm3a/bの阻害が,ccm1(santa)およびccm2(valentine)で見られるものとは異なる心臓と循環の欠損を引き起こし,ヒトの疾患病態を思い起こさせる頭蓋血管の著しい拡張と誤パターン形成につながることを報告する。ccm3の欠損は,CCM3と相互作用することが以前示されているGCKIIIキナーゼ,stk25bの過剰発現によりレスキューできるが,ccm2の欠損はレスキューされない。GCKIII遺伝子stk25bのモーフォリノノックダウンはccm3モルファントで見られるのと似た心臓および脈管構造の欠損を引き起こす。最後に,ccm2変異体におけるccm3の追加的喪失は頭蓋血管拡張の協調的増加に繋がる。これらの結果は,CCM3がCCMの発病においてCCM1/2とは別個の役割を果たし,GCKIII活性を介して作用し,頭蓋脈管構造の完全性と発生を調節する,というモデルを支持する。CCM3/GCKIII活性は血管透過性の調整に加えてCCMのための新しい治療上の標的を提供する。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.