抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
震災後500日たっても福島県沖の漁場は全面的に閉ざされている。これは日本の漁業史上かってなかったことで,今後の推移を記録しておく必要がある。現在,放射性セシウム濃度は底魚類を主とする高レベル群と頭足類や貝類を主とする低レベル群に分けられる。漁業被害に対する損害賠償は漁業共済制度に準じて賠償額が決定され,福島県の補てん率は平均84%となり,組合員の口座に振り込まれている。福島県の漁業復興の戦略として,汚染が低レベルの魚種に対する試験操業・試験販売を経て対象魚種を拡大していく方向が検討されている。この実施に当たっては,漁獲対象種によって参加できる漁業者が限られる等の幾つかの留意すべき問題点がある。海の除染をすすめるという観点では,試験操業に限定せず全面的に漁業を再開し,出荷規制対象種は政府・東京電力が全面的に買い上げて陸上処理をするという方法もある。現在出荷制限を受けている魚種の生産額はほぼ40億円,水産庁の平成24年度の瓦礫処理予算は約79億円であることをみれば実現性のある話ではないだろうか。