抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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インターネットのコンテンツサービスにおいて,ニコニコ動画,Flickr,Wikipedia,YoutubeなどのCGM(Consumer Generated Media)やUCC(User Created Contents)と呼ばれる,ユーザーが自前でコンテンツを制作するようなサービス群が2000年代後半に大きな話題をさらった。その一方で,オンラインニュース配信や電子書籍など,既存のコンテンツ事業者によるものの多くは成功したとは言い難い状況が続いている。本稿は,CGMやUCCが大きく成功した理由はいったい何だったのかを考察したものである。結論として,UCCは,UCN(User Creative Networks)の部分システムとして捉えるのが適当であると考える。そして,UCNは,オンラインにおいて始まったサービス,としてだけでなくオフラインの趣味ネットワークや,社会・経済的利益に基づかない動機付けをベースとした人々の活動の総体として捉えられるものである。すなわち,俳句や,音楽など幅広い趣味のネットワークの問題と共通性を持ったドメインであると位置づけることができる。したがって,成功したUCCと,成功した俳句や音楽などのオフラインのネットワークの「成功」要因は類似する要因によって捉えることができる。その要因は,流通・製作コストの安さ,評価情報の共有といった要因の他に,参入のための学習の容易さ,コミュニテイの機能などといつた要素も重要になる,ということである。