抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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過去数十年間にわたり,下肢の仕事関連の痛み及び筋骨格疾患は,腰部,頸部及び上肢の痛み及び筋骨格疾患と比べて注目されてこなかった。足の痛みは一般住民において日常的であり,研究によって異なるが,10-42%の有病率が報告されている。女性と高齢者は足痛のリスクが高い。2003年に,ある高齢者ケアセンターで働く人,主として准看護師に,下肢及び腰部筋骨格疾患が発生し出した。彼らは症状の原因がセンターの改修の際に設置された新しい床(2mmの均質ビニール床)によるものと訴えた。スウェーデン労働環境局は,介護従業員を雇用している自治体が対応すべきと要求した。本研究では,2mmの均質ビニール床から4mmの異質ビニール床への変更が高齢者ケアセンターの准看護師の下肢及び腰部筋骨格疾患に与える影響を調査した。介入の効果を評価するためにプレポストデザインを使用し,同じ自治体の同様な高齢者ケアセンターからの参照群を含めた。基準測定は介入の約4週間前に実施した。追跡測定は基準測定の12か月及び24か月後に実施した。また,介入群は介入の6週間後に追跡測定された。測定はアンケートで行われた。主要な結果変数は4つの人体部位(腰部,臀部,膝,足)の痛みである。疼痛強度は,現在の痛み,先月の最悪痛み,先月の平均痛みについての質問により0(痛みなし)から10(最大痛み)までの11段階に評点付けされた。1年後の追跡調査で,介在群の足の痛み強度スコアは基準値と比べて減少し,2年後の追跡測定でも統計的に有意であった。介在群の足の痛み強度スコアの減少は,1年後2年後ともに,参照群とは統計的に有意差があった。この結果は,筋骨格疾患の減少に関して職場のフローリングの重要性を示している。