抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,筑後川河口沖にある佐賀大学海象観測タワーの連続観測データを用いて,筑後川エスチュアリー下部の海洋構造の季節・大潮小潮周期変化を詳述した。その結果,従来は強混合型エスチュアリーと考えられていた本水域が,緩混合型~強成層型の形態も存在することを確認した。成層強度の季節変化に対しては,水温より塩分の影響が大きく,梅雨期の出水後は表層の低塩分化により強成層型となった。季節変化以外に,大潮時に混合(あるいは成層弱化),小潮時に成層(あるいは成層強化)という,大潮小潮周期の成層強度の変化が確認された。ただし,河川流量や潮汐振幅,風速,水温,塩分に大きな違いがなかった1~6月と10~12月を比べると,前者では大潮小潮の成層/非成層サイクルが認められたものの,後者ではそうしたサイクルは認められなかった。これは,1~6月は加熱期であり海面熱フラックスが浮力供給として働くのに対して,10~12月は冷却期であり潮汐混合に加えて海面冷却による鉛直対流が鉛直混合の駆動力として働くためであると考えられた。(著者抄録)