抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アジア諸国(日本を除く)においては,CSRの取組みが先進諸国に比べて進展していない。しかし,グローバル企業や海外進出企業が数多く存在する韓国においてはCSRに真剣に取り組もうとしている。本稿では,アジア諸国のCSRに対する研究の一つとして韓国を取り上げた。企業と社会の関係を理解するにはステークホルダー概念及びステークホルダー・アプローチに基づくのが有効であるといわれている。そのため,韓国企業の第1次ステークホルダー(投資家,従業員,サプライヤ,消費者)及び第2次ステークホルダー(政府,NGO,地域社会,一般社会)への対応を通じて韓国のCSRの現状及び動向を検討した。まず,CSRの基本的概念及び企業とステークホルダーの関係について説明し韓国のCSR発展の経緯を述べた。次に,韓国政府を含む企業社会全体(マクロレベル)でのCSRへの取り組みと韓国企業(ミクロレベル)での取り組みを分けて検討した。個別企業の事例として,サムスン電子と現代自動車のCSR活動を検討した。韓国企業の第2次ステークホルダーへの対応は,環境問題や企業倫理に関するCSR活動及び社会貢献活動が活発である一方,第1次ステークホルダーへの対応は進んでいない。韓国のCSRの発達のためには第1次ステークホルダーのCSRに対する高い関心や積極的働きかけが必要であり,韓国企業が国民に信頼される企業になるためには,形式的・外向的CSR活動ではなく,社会と共存する企業としてCSRに取り組む努力が必要である。