抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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新開発した深彫りエンドミル,エポックディープエボリューションシリーズの刃形は,ボール・スクエアともに刃先強度重視の設計を採用することにより,深彫り加工時にびびり振動が発生してもチッピングしにくい形になった。ボール刃の曲率を小さく設計することで切削性を確保し,切削抵抗軽減を図った。スクエア刃の特徴としては,外周すくい角を小さくし刃先強度を大きくした。刃物角が大きく設計されているため,耐チッピング性が向上した。首形状では,首部剛性と工具たわみを考慮した設計を適用した。高硬度材にはATHコートを採用した。これはTiSi系の多層構造にし,超硬母材との密着性確保と皮膜の高硬度化を実現した。軟鋼材用にはPNコートを採用した。PNコートは,AlCr系を主成分とした膜である。各元素含有量を最適化することで超硬母材との密着強度を向上できた。プラスチック金型加工の放電加工からの切り替え事例では,従来は直彫りが難しく,目標6mmに対し1.5mmしか加工できなかったが,開発品を用いることで目標深さまで加工できた。放電加工の加工費と比べ1/3に低減でき,電極に必要な鋼の削り出しや電極のセット時間も省略できた。SUS420J2の直彫り切削事例で勾配面の仕上げ加工を実施し,刃先強度を上げた開発品はチッピングなどの異常摩耗はなく,安定した状態を形成していたが,従来品は先端からR刃まで連続的にチッピングが発生した。寸法誤差量は,従来が10μm以上の誤差があるのに対し5μm以下と半減できた。SUS420J2のコーナー部加工事例では,従来は切削抵抗が大きく,びびりによる振動の面が観察されたが,開発品では振動が抑制され,切削抵抗の波形もびびりによる増大部分が抑制されていた。