新期榛名火山の主要な3回の火砕噴火の噴出物について,炭素14年代値が得られたので報告する。得られた年代値は白川火砕流堆積物から2件,二ツ岳渋川テフラから3件,二ツ岳伊香保テフラから4件である。白川火砕流から得られた年代値は45kaであり,これは新期榛名火山最初で最大の火砕噴火の年代を示す。二ツ岳渋川テフラから得られた年代値は1540~1640 yr BPであり,また二ツ岳伊香保テフラからはいずれも1480 yr BPの年代値が得られた。これらの結果は,二ツ岳渋川噴火は5世紀末~6世紀初頭にかけて,伊香保噴火は6世紀後半から7世紀初頭にかけて発生したことを示す。(著者抄録)