抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
クリプトスポリジウム等対策において,地表水以外の水道原水については平成19年度から,濾過の他に紫外線処理が認められることになった。しかし,地表水を水道原水とする場合には濾過による対応が基本であり,この場合,中小規模水道事業体の維持管理を取り巻く昨今の状況において濾過水濁度の管理が懸念されている。このため(公財)水道技術研究センターでは厚生労働科学研究費補助金による「浄水プロセスへの紫外線処理の適用」研究において,中小規模水道事業体のクリプトスポリジウム等対策における濾過水濁度の管理について実情を調査した。また,クリプトスポリジウム等対策において地表水に対しての紫外線処理の適用を探るために,紫外線照射による副生成物や紫外線照射効果への処理対象水濁度の影響を調べるために実験を行った。その結果から,中小規模水道事業体の一部では濾過池出口濁度の管理に苦労していること,また,紫外線照射による臭素酸やトリハロメタン等の副生成物については,通常の実装置ではほとんど問題なく,また河川水の濁度においても実験に供した約4度以下では紫外線照射効果にほとんど影響を与えないことが確認された。以上より,除濁を目的とする濾過池の合理的で適切な濁度管理と紫外線処理の組み合わせによる「濾過池+紫外線処理」はマルチバリアとして地表水への有効なクリプトスポリジウム等対策となり,地表水の濾過処理を行っている中小規模水道事業体での適用が可能であると考える。(著者抄録)