抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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刺激したヒト好塩基球は媒介物質の放出とCD63およびCD203cのような活性化マーカーの出現を伴う種々の分解パターンを提示する。伝統的に,放出された媒介物質は活性化細胞の上清において定量され,個々の細胞による活性化マーカーの発現はフローサイトメトリーにより解析される。選択的に,細胞内ヒスタミンおよび好塩基球と肥満細胞によるその放出はヒスタミンを基質とするヒスタミナーゼジアミンオキシダーゼの親和性に基づいた酵素親和性黄金法を適用し繰り返し研究されている。本研究は,活性化マーカーの発現と併用した個々の好塩基球により放出するヒスタミンを研究することが可能なフローサイトメトリー技術を開発することを目的とした。また,単一細胞レベルで好塩基球の分解の本質を解明することを目的とした。細胞内ヒスタミンとその放出をレーザー興奮性の蛍光色素で結合したジアミンオキシダーゼを用いた酵素親和法によりフローサイトメトリー的に解析した。細胞の表現型はCD63とCD203cのフローサイトメトリーにより定量した。アレルゲン,抗IgE,fMLP,ホルボール12-ミリスタート-アセタート(PMA),イオノマイシンおよびIL-3のような刺激剤が異なる分解特性を得るために適用された。抗IgE,アレルゲン,fMLPおよびPMA±イオノマイシンを用いた刺激はフローサイトメトリーで解析できる急速なヒスタミン放出を誘導する。単一細胞レベルでの解析は,ヒスタミン放出はCD63の著しい発現増加を示している細胞に対し制限されないことを明らかにした。代わりに,CD203cの発現増加はヒスタミン放出を示すわけではなかった。いく人かの患者において,IL-3を用いた細胞刺激は好塩基球の応答性を促進するだけでなく標識細胞に対するDAOの能力を増加させた。本研究はヒスタミンとその放出が多色フローサイトメトリーにより単一細胞レベルで研究できることの概念実証を提供する(ヒスタフロー)。活性化された好塩基球と同時の表現型決定に対するデータとの連結は,ヒスタミン放出は本質的アナフィラキシー性の分解から生じ,段階的な分解はより少ない程度であることを確認する。(翻訳著者抄録)