抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在の観光振興の柱であるMICE(ビジネスイベント)は万国博覧会から発展してきたといわれているが,その関わりは未整理である。そこで本稿では,万国博の内容を「物」「文化」「関係性」の3つのカテゴリーで区分し,MICE政策への移行過程を歴史的経緯によって明らかにする。さらに次世代を担う日本人学生と中国人学生にアンケート調査を行い,MICE振興に必要な要素の重要度の指摘率の違いをみた。万国博からMICEへの経緯については,次のように要約される。1851年のロンドン万博は産業カタログ的展示会であり,最初のマスツーリズムの端緒となった。19世紀後半に行われたパリ万博は娯楽施設の付与と国際学術会議が併設されるようになった。1931年の植民地博は,アンコールワットやバリを疑似体験させるパビリオンなどを通して,海外旅行の動機つくりに寄与した。米国での万国博の歴史は浅く,最初から高収益市場として団体市場に着目し,博物館や美術館,遊園地など余暇施設を設けて,収益をあげるMICE的政策の端緒をみることができる。