抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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平成23年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し,わが国に甚大な被害をもたらした。福島第一原子力発電所は巨大地震による津波で被害を受け,大量の放射性物質が環境に放出される事態となった。本研究は,当時の数日間において,国等から公表された限られた情報に基づき,当所が保有している事象進展予測システム(IPPS)と公衆防護措置範囲迅速予測システム(R-Cubic)を用いて大気中への放射性物質放出量を推定し,国や東京電力が公表した放射性物質放出量と比較した。その結果,(1)国が実施した4回にわたる段階的公衆防護措置は,R-Cubicによる放射性物質放出量の段階的評価結果と定性的に一致したこと,(2)IPPSによる予測は,原子炉圧力や原子炉水位などのプラントパラメータは観測値と良く一致したが,原子炉への注水を原子炉水位の観測値に合わせて解析すると,放射性物質放出量を過少評価すること,(3)R-Cubicによる予測は,原子力安全委員会および原子力安全・保安院が公表した放射性物質放出量と概ね一致したこと,(4)東京電力が平成24年5月に発表した大気中に放出された放射性物質の放出量のうち,希ガス0.5MeV等価値は過少評価と考えられることを示した。(著者抄録)