抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,水素ガス雰囲気で熱処理される電気炉を常温から1400度程度の範囲で運転する温度計測アプリケーションにおいて,800度を超えると測定値が不安定になる現象について考察した。本電気炉は円筒形の形状をとり,その円周に沿ってコイル状にヒーターが設置され,本質安全防爆回路を構成している。熱電対の出力波形を観察したところ炉内温度が800度付近において熱電対とヒーター間に存在する抵抗(絶縁抵抗)が急激に低下した。すなわち,絶縁抵抗の低下によってヒーター電源から温度測定回路に電圧が侵入したと考えられるが,測定回路の両極に等しく加わるコモンモードノイズのはずである。一方,危険ガスに着火するほどのエネルギーを与えないように安全保持器を設置しているために,熱電対から侵入した電圧が2つのダイオードを通ってアースに流れるときにそれらに特性差があるとアース電流に差が生じる。回路内での電圧降下に差が生じるとコモンモードノイズが測定回路の両極間に電圧差を発生させるノーマルモードノイズに変換され,測定値が不安定になるトラブルが発生したことがわかった。そこで,非絶縁型安全保持器を絶縁型に交換し,現場からのノイズに影響を受けないようにすることで正常な測定を実現した。