抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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これまで筆者らは,野沢温泉の源泉および13の外湯の浴槽水は,それらの還元特性により皮膚の酸化や老化抑制および皮膚の美白効果に関するメラニンの生成抑制効果に期待できることを明らかにしてきた。しかし,温泉水の有するこれらの優れた効能について,地元の人々を含めて余り理解されていないのが実情であった。そこで,より多くの人々にも,硫黄泉の還元力に基づく優れた効能を容易に理解し易くするため可視化実験を提案した。なお温泉水として,野沢温泉(単純硫黄泉:pH=8.4,総S=51.6ppm,H
2S=2.2ppm)の湧出直後の新鮮な温泉水と,その新鮮な温泉水を約2週間放置しエージングを進行させた温泉水を用いた。また,実験で使用する器具や試薬は日常的に容易に入手可能で,身近なものを選択した。温泉水の還元力評価実験では,ヨウ素を含むうがい薬(商品名:イソジン;ポピドンヨード)を用いた。メラニン生成抑制実験では,リンゴおよびじゃがいもは皮を剥いて空気と接触させることで,褐色に変化しメラニンを生成することから,それらを用いた。これらの可視化実験で,以下のことを示すことができた。1)新鮮な温泉水はビタミンC(アスコルビン酸)と同じ性質(還元性)を有すること,2)新鮮な温泉水と水道水では抗酸化特性が明らかに異なること,3)新鮮な温泉水はビタミンCと同様に,メラニン生成抑制効果を有すること,4)メラニンは皮膚内で生成されるため,その抑制物質は皮膚内に浸透する必要があるが,新鮮な温泉水の成分は皮膚バリアー機能を代替する膜を浸透するが,一方ビタミンCは浸透しないこと,5)エージングが進行した温泉水は,水道水と同じ結果を示すこと。それ故,温泉水は新鮮さが重要であることを可視化実験で,明らかすることができた。(著者抄録)