抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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エンジンから排出されるガス成分にオイルに起因する成分の割合が多くなってきている。これは摩擦損失の対策として採用された,リングの薄幅化によるリング張力の低減や低粘度マルチグレードオイルに起因することが指摘されている。本文では,オイル蒸発の予測モデルで重要な因子である,オイル性状(蒸気圧,粘度)に注目し,実機運転条件での解析を行いその影響について検討した。得られた知見は次の通りである。1)運転条件(3000rpm,全負荷)一定の条件で,オイルの飽和蒸気圧を変化させたところ,オイル全蒸発量は飽和蒸気圧の増加とともに指数関数的に増加する。2)ライナ温度とオイル膜厚さを組み合わせてオイル蒸発量を算出したところ,オイルの粘度グレードに関係なく,ライナ温度が20°C上昇すると蒸発量は約2倍増加する。また,オイルSAE10W30を用いると蒸発量はオイルSAE30の約18倍に増加する。3)低粘度マルチグレードオイルの使用は飽和蒸気圧が高いためオイル蒸発量が増大することを解析より明らかにした。このためオイル消費量低減のためには,低粘度で蒸気圧の低い性状のオイルを開発するとともに,エンジン側ではライナ表面温度をより低い状態に保つことが重要である。