抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東日本大震災や欧州危機等,経済環境は厳しい状況が続いている。卸売企業もその例外ではないが,国内を市場とする中堅・中小の卸売企業にとっては,この厳しい状況は一過性のものではなく,さらに厳しい状況が待ち受けている。ひとつはメーカー・小売企業の進化による「卸売業」の存在意義の低下であり,もうひとつは人口減少にともなう需要の減少である。このようななか,中堅・中小卸売企業が生き残っていくためには,これまでとは違った方向性・戦略が必要となる。顧客から求められるニーズに対しての自社の「提供価値」を考え抜き,自社の「強み」を見定める。そこから絞り込まれた「軸」にしたがって「既存事業の強化」もしくは「新規事業の開発」を進めていく。「既存事業の強化」のためのキーワードは「ターゲットの絞り込み・明確化」,「海外・他社との連携による基本機能の強化」,「サービス業化」である。特に「サービス業化」は中堅・中小企業ならではの柔軟性の高さを活かせる強化領域であり,最も重要なポイントである。「新規事業の開発」のためのキーワードは自社の「強み」を活かした「川下への進出」であり,「ネットの活用」である。これらの方向性を「軸」をぶらさず,複合的に組み合わせ,推進・徹底することが「生き残り」「成長」するために不可欠である。(著者抄録)