抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
黒部市宇奈月町周辺にある鍾乳洞のサル穴にキクガシラコウモリの生息を確認したので報告する。このサル穴は標高約580 mでサワグルミ,ケヤキなどから構成された夏緑広葉樹林であった。コウモリの調査では,性,齢,繁殖状況,体重,前腕長を確認した。またフンを採集し99%エタノールで分解して実体顕微鏡で観察した。フンからは甲虫目と思われる鞘翅,歩脚,触角の一部が多量に観察された。またキクガシラコウモリの毛も見られた。これらの観察結果から,このコウモリは外骨格の硬い甲虫目を多食し,歯や舌を用いてグルーミングを行うことが示唆された。また,九州南部の洞窟でのコウモリのフンでは異なる昆虫の一部が認められたことから,キクガシラコウモリの餌は生息地の森林環境の影響を受けやすいと考えられた。