抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電子機器の高機能化に伴い,高速差動伝送の適用分野が拡大されており,STP(Shielded Twisted Pair)ケーブルを使用した機器の実装例が増えている。筆者らはこれまでSTPケーブルに関する種々の検討を行い,STPケーブルのノイズ耐性を高めるためには,ケーブルの端末部において芯線を包むようにシールドシースを直接,金属筐体や金属コネクタに接地する必要があるとの結論を得た。しかし,適用する用途によっては,STPケーブルのシールドシースを端末の金属に対して,直接接地することが難しい場合もあり,止む無くジャンパ線をシールドシースから引き伸ばして接地する「ピグテール接地」の形態をとらざるを得ない場合もある。だが,ピグテール接地によりノイズ耐性が劣化することは定性的には分かるものの,定量的なレベルで評価した例は少なく,結果としてピグテール接地の実装方法が複雑化している。以上を踏まえ,本報告ではEthernet用のSTPケーブルを対象とし,その端末にピグテール接地を施した場合について,ピグテール接地の本数と配置の対称性がノイズ耐性に与える影響を実験的に検討した。STPケーブルの外部からノイズを印加して,芯線に誘導するノイズレベルを測定した結果,シールドシースの一部分にのみ多数のピグテールを付けるよりも,ケーブル断面に対してピグテールを均等に配置するほうがノイズ耐性は劣化しないことが分かった。したがって,ピグテール接地を実装する際には,配置の対称性を考慮した接続が必要となる。(著者抄録)