抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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島嶼メラネシアは,太平洋地域のなかでも豊かな環境と文化的多様性をもつ。本論ではメラネシア中央に位置するバヌアツを事例に,民族誌・考古学的視点から,島嶼メラネシアにおける生業戦略と社会政治システムとの関連を探る。位階階梯制という競争的な政治システムをもつ北部地域における社会的生産と食物加工技術を重視し,文化的価値が生業戦略やその強化に果たす役割を論じる。バヌアツにおける生業活動や先史後半期の社会変化に関する情報は限られているが,北部地域では20世紀初頭に至るまで,何らかの地域的な集団間交渉が継続したと考えられる。伝統的社会に特徴的なシステムの出現へと繋がる重要な変化は,おそらく過去700年間に生じたと思われるが,環境変化がどれほどのインパクトを与えたかは,現状では判断できない。今後,環境史的研究と,特にこの時期に焦点をあてた考古学的調査を推進することが不可欠である。(著者抄録)