抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では光化学過程を利用した光アップコンバージョンについて,イオン液体を媒体とした相安定な光アップコンバーターを開発した。高温エージング試験および経時試験の結果から,従来の溶媒和の考え方に基づく予想に反し,光アップコンバージョンに用いられる多環芳香族分子は極性溶媒であるイオン液体中に安定に存在できることを明らかにした。この安定溶媒和のメカニズムとして「カチオン-π相互作用」を提案した。使用したイオン液体のベンゼンとシクロヘキサンに対する混和性の違いから,本研究では極性・無極性の区別ではなくπ電子の有無が溶媒和を支配していることを示した。これにより得た主な知見を次に示した。1)イオン液体を媒体とした不揮発・難燃・長期安定な光アップコンバーターができること,2)試料の安定性はカチオン-π相互作用によること,3)一般に高粘度媒体と見なされているイオン液体の粘度は光化学過程を用いた光アップコンバージョンの用途では問題とならないこと。