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J-GLOBAL ID：201202250324935650   整理番号：12A0854178

二次元相関分光法による高分子のテラヘルツスペクトル解析

著者 (1件)： 保科宏道 (理研)
資料名： 分光研究  (Journal of the Spectroscopical Society of Japan)
巻： 61  号： 2  ページ： 44-45  発行年： 2012年04月15日 
JST資料番号： F0007A  ISSN： 0038-7002  CODEN： BUKKAT  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本稿ではテラヘルツスペクトルに二次元相関分光法を適用したので紹介する。試料としてポリヒドロキシ酪酸(PHB)を使用し,テラヘルツ時間領域分光法(測定範囲0.3~4.0THz)を用いた。90°Cにおける等温結晶化スペクトルでは初期状態でPHBは非晶質であり,時間経過と共に2.5THz付近及び2.9THz付近でピークは成長し,結晶化は進む。得られたスペクトルに二次元相関分光法(温度や時間を変化させながら測定スペクトルの周波数の相関を二次元平面上にプロットする)を適用し,解析した結果,2.2THzに非対角成分の吸収ピークが認められ,2.4THz及び2.9THzの吸収ピークは遅れて成長していることが明白になった。2.2THzの吸収ピークはPHB結晶の水素結合方向の振動であり,2.4THz及び2.9THzは分子鎖の骨格振動である。このことから90°CにおけるPHBの等温結晶成長過程において,水素結合方向の構造が早く成長し,後から骨格振動方向の構造が形成されることが推測される。

シソーラス用語： *二次元 ,  *相関分光法 ,  *ポリヒドロキシ酪酸 ,  *タイムドメイン分光法 ,  *等温過程 ,  *結晶化 ,  水素結合 ,  吸収スペクトル ,  結晶成長 ,  スペクトロスコピー
準シソーラス用語： *テラヘルツ時間領域分光法 ,  二次元相関分光法

分類 (2件)： 高分子固体の構造と形態学  (CG02022M) ,  高分子のスペクトル  (CG02033O)

引用文献 (8件)：

• LEE, Y. S. Principles of Terahertz Science and Technology. 2009
• HOSHINA, H. Appl. Spectrosc. 2009, 63, 81
• FUKUNAGA, K. IEICE Electronics Express. 2007, 4, 258
• 保科宏道. 分光研究. 2007, 56, 207-213
• HOSHINA, H. Appl. Phys. Lett. 2010, 96, 101904

タイトルに関連する用語 (4件)： 二次元相関分光法 ,  高分子 ,  テラヘルツ ,  スペクトル解析