抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近時,世界的に,特許を悪用した不当な独占的地位の形成・維持・強化が問題となっている。例えば米国においては,Rambus事件やQualcomm事件,N-Data事件で,標準設定にからんだ特許権の不当な行使が問題となっている。本稿では,情報通信分野における特許権と競争法(独占禁止法)の関係について,標準規格必須特許の権利行使に関する競争法上の対処と課題について考察した。日本では,独占禁止法21条に,「この法律の規定は,著作権法,特許法,実用新案法,意匠法または商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない。」という明文規定があり,様々な解釈が試みられているが,解決の糸口を見出すのは容易でない。そこで,米国及びEU法の知見を参考にすることとした。まず,米国の事例として,Rambus事件,Qualcomm事件及びN-Data事件の判例について概観した。次に,日本の状況として,「ホールドアップ」問題,マイクロソフト非係争条項事件,着うた事件,日本クアルコム事件を紹介し,欧州の状況として,EU機能条約101条水平的協力協定ガイドラインについて概観した。これらを踏まえて,日本法の課題として,独占禁止法による対処のあり方について検討した。