抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,東北地方を対象とし,3地域の合板向け国産材供給体制の構成と機能,取引実態,集荷圏を明らかにし,これらの供給体制の成立意義を考察することを目的とする。これらの体制は,合板工場の立地する県で2001~2003年に設立され,各地域の素材生産実態に即した既存の素材生産団体を基に構成する。これらの体制を分析するため,聞き取り調査,統計データ,GISマッピングに基づく比較検討を行った。これらの体制の主な機能1つは需給調整であり,伐採現場からあらかじめ定められた合板工場に決められた量の木材を直送する仕組みである。これらの体制が成立した要因は,供給可能な森林資源が存在すること,材価が低迷し輸入材の代替資源となり得たこと,技術進歩だけにとどまらず,民間主体の素材供給体制や国有林システム販売が存立していることであった。これらの体制は東北地方における素材生産を活発にした一方,製材向けと合板向けの用途競合を生じさせつつある。また,東北地方における合板産業が引き起こした生産・流通再編の程度は地域によって異なることが明らかとなった。(著者抄録)