抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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例えばNO
2加水分解およびヒドラジン/三酸化窒素対の自然発火性などの実験で見られる結果は,NO
2二量体で説明されてきたが,そのような説明は,二量体のいくつかの形(対称形N
2O
4,cis-ONO-NO
2,およびtrans-ONO-NO
2の存在可能性のために複雑になる。またこれらの系の量子力学的(QM)研究は,各二量体により異なって変化し,結合が形成され,壊れるのに伴って劇的に変化するNO
2の大きな共鳴エネルギーのため難しくなり,その結果,QM用の標準的な方法のいずれも,一様に信頼できない。ここでは,密度汎関数論(B3LYP)といくつかのab initio方法(MP2,CCSD(T)およびGVB-RCI)を使って,これらの系の研究を行った。RCCSD(T)/CBS水準では,cis-ONO-NO
2を形成するためのエンタルピー障壁は1.9kcal/molであったが,trans-ONO-NO
2を形成するためのエンタルピー障壁は13.2kcal/molであり,これらはGVB-RCI結果と一致していた。しかし,対称形のN
2O
4を形成することに対して,RCCSD(T)は解離限界でのその参照機能の間違った漸近挙動のために,非物理的バリアを与えたが,GVB-RCIはそのような組換えに対して障壁を示さなかった。これらの3つの組換え反応の障壁高さの違いは,結合形成プロセスに関係するB
2励起量で合理的に説明することができた。N
2O
4がtrans-ONO-NO
2に異性化するためのエンタルピー障壁が43.9kcal/モルであることが見いだされたことから,NO
2の気相加水分解で重要な役割を演じているそのような異性化の可能性は排除された。ずっと有利な経路は最初にcis-ONO-NO
2が形成され,次いで2.4kcal/molのエンタルピー障壁でtrans-ONO-NO
2に変換することであった。NO
2ガスの同位体酸素交換は,おそらく,trans-ONO-NO
2の形成と引き続いてのON
+移動によると考えられた。