抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究の目的は,虫眼鏡を使った観察の実態を明らかにすることによって,低学年の児童が微視的な気付きを持つことができたのかを考察することであった。対象は,小学校1年生児童38名であり,分析の対象は,2010年6月に行われた4回の観察のうちの第1回目と第4回目の観察記録であった。本研究では,第1回目と第4回目の観察記録のスケッチとスケッチに付随されたコメントを対象に,スケッチに付随されたコメント数の量的評価とアサガオの生長に伴う各部位の表現を「理科的」と「絵的」に分類した質的評価によって分析された。また,第4回目の観察後に質問紙法によって観察時の虫眼鏡利用に関する主観的評価が行われた。量的評価では,第4回目は,スケッチに付随したコメント数が,第1回目に比べ増加した児童が,有意に多いことが明らかになった。また,質的評価では,第4回目は第1回目に比べ,各部位の特徴をよくとらえた「理科的」なスケッチを描いた人数が,「絵的」なスケッチの人数を上回った。さらに,スケッチの質的評価と付随されたコメント数の関係において,「理科的」なスケッチには,描かれた部位に関するコメントが書き込まれていた。主観的評価では,すべての項目において肯定的な回答が得られた。以上の結果から,小学校1年生活科で行われる栽培で,虫眼鏡を利用した観察活動において,低学年の児童が微視的な気付きを持つことができたことが明らかになった。(著者抄録)